ヨガの恩恵

ヨガインストラクター yoka

心と呼吸

バガバッド・ギーターというヨガの聖典がございます。紀元前から伝わり、紀元100年頃に成立したと言われています。

その中で、クリシュナという神の化身が『心を統御した者にとって心は最良の友であるが、心を統御できない者にとっては、心は常に最大の敵である』と言っています。

『ヨガ〜つながる①』の回で触れましたが、心の状態は呼吸にあらわれます。また、その逆も言えます。呼吸の状態が心にあらわれる。つまり、呼吸をコントロールすることができれば、心もコントロール(統御)することができるのです。

それがプラーナーヤーマ(呼吸法)です。

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サンスクリット語でプラーナは『呼吸』と考えていただくのが一番わかりやすいですが、『気』『エネルギー』のような意味があります。ヤーマは『コントロールする』、と言う意味です。

ですので、プラーナーヤーマは単に呼吸をしましょう、だけでなく、『気の流れを整える』ものであると言えます。

ヨガの八支則の4番目、アーサナの次に位置しており、『あぐら』の回で触れましたが、アーサナはこのプラーナーヤーマを安定して行えるよう手助けをするものです。

プラーナーヤーマというとわかりにくいかもしれませんが、通常のヨガのクラスで長さの長短や方法の違いはあれど、必ずみなさまがいつも行っているものです。

動き始める前に姿勢を整え呼吸に意識を向ける時間が取られると思います。

様々な種類のプラーナーヤーマがあり、いずれも①呼吸器系を整え、②肺活量を増大させ、③内臓機能を回復させ、④免疫系、神経系、分泌系を整え、心の安定を図り、チャクラ(チャクラ①の回をご参照ください)を動かす効果が期待できます。

 

クラスで出来る限り様々なプラーナーヤーマをみなさまと一緒に行っていきたいと思います。

プラーナーヤーマを行い、呼吸(気)をコントロールして、自分の心と友達になりましょう。

 

 

 

心に平安を

自分をいたわる、の回で、アヒンサ(非暴力)について触れました。
今回はこのアヒンサを前回とは違う観点から。


ヨガの目的のひとつは心の平安を得ることです。
ヨガの教典であるヨーガスートラに書かれているヨガの8支則の8番目、最終的なゴールは悟り(サマーディ)になります。
物理的な暴力にしろ、非物理的な暴力にしろ、命あるものに対して暴力をふるうと自分の心も押し潰されてしまいます。ふるわれた相手はもちろん、ふるった自分も同時に傷つくことになり、平安とは真逆の結果となることは容易に想像がつくと思います。
今のネット社会において、本名を明かさず他人に好き放題を言うような風潮がありますが、自分だと特定されなければ何を言ってもいい、どうせわからないし、知らない人だし、関わりないし、一生会うこともないだろうし、と、他人を誹謗中傷した結果、その心に果たして平安は訪れるでしょうか?
また、日本中自粛していた最中に報道されていた、いわゆる「自粛警察」や、あおり運転も同様です。大変心が痛みます。

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わたしたちは自分の心がざわついている時、とかく人を傷つけたり、批判したりしてしまいます。あるいは人に批判されたり誹謗中傷を受けた結果として、自分の心がざわついてしまっているのかもしれません。残念ながら、そのざわつきを抱えたままでいると、それを自分の周りへばらまこうとするのが人間です。なぜなら、ざわつきをなんとか手放したいから。チェーンメール方式です。
ヨガを行うことにより、人へばらまくことなく自身の内側から心のざわつきが鎮まり、心の平安を得ることができ、アヒンサの実践が叶うのです。法の抑止力に頼ることなく負の連鎖を断ち切ることができます。

 

ヨガ~つながる①

「ヨガ」とはサンスクリット語「つながる」という意味です。呼吸と動作を連動させる(つなげる)ことにより、心(呼吸)と身体(動作)を調和させます(つなげます)。わたしたちは怒ったり焦ったりすると呼吸が乱れ浅く早くなりますよね?慌てている人を前にすると「まずは深呼吸して」と声をかけますよね。心の状態を呼吸があらわしています。
世の中は波長の合わないものだらけです。学校に行けば気の合わない先生や同級生がいます。会社に行けば同僚や上司、得意先に気を遣います。一番安心できる場所であるはずの家庭でも、親子や夫婦間での意見や考え方の食い違いは日常茶飯事。ちぐはぐだった自分自身の心と身体の調和をはかる、それもヨガですし、波長の合わない自分の周りの環境全てと調和がはかれるような健康な心と身体を養ってくれるのも、またヨガです。

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このように、ヨガは単なる運動とは違った側面もあるのです。
生きる知恵をわたしたちに授けてくれるのです。
きっとみなさんもヨガを続けていくと、日々ご自分の内面の変化に気づき始めるでしょう。
もうすでに、なんだか違うぞ、と感じていらっしゃるかもしれません。
それは決まった統一された変化ではありませんので、こんなことです、とわたしがお伝えすることは残念ながらできません。人それぞれの環境に合わせた変化だからです。





開脚前屈の動きを妨げる原因〜その①仙腸関節

股関節は骨盤と腿の骨の結合部分です。

股関節が硬い、というのは股関節の可動域が狭くなっていたり、動きが鈍くなっていたりして、前屈や開脚がしにくくなっている状態を指します。ですので、もちろんこの股関節の可動域を広げることが股関節の柔軟性に繋がるのですが、前屈や開脚がしにくい原因は他にもあります。その原因は複合的に絡み合っていて、人それぞれ違いがあります。

その原因のひとつが仙骨関節の硬さです。

股関節が硬い場合、仙腸関節も硬いことが多いです。このふたつの関節は筋肉で繋がっているため、この筋肉が弱ったり左右差が生じたりすると筋肉が固くなり、繋いでいる両方の関節の動きが制限され可動域が狭まります。

 

白い骨が寛骨、オレンジの骨、大きいほうが仙骨で、その先に付いている逆三角形の小さい骨が尾骨です。この3つの骨の集合体が骨盤と呼ばれています。オレンジと白の境目、結合部分が仙腸関節です。

この仙腸関節は寛骨や背骨を動きやすくして歩くことをサポートしてくれたり、姿勢を保つサポートをしてくれたりしています。

この仙骨を動きやすくすることが仙腸関節の柔軟性をあげ、ひいては股関節や背骨の柔軟性にも繋がっていきます

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仙腸関節をはじめ、肩甲骨やお尻など、わたしたちは自分の体の背面には意識が向きにくいので、動かしていても動いているのかどうか、わかりにくい傾向があります。

そのため、とてもほぐしにくく、また鍛えにくくなります。

なぜなら、ほぐすにしても鍛えるにしても、そこに意識を向けながら行うことにより効果が期待できるからです。

 

ひとつ例をあげてみます。

合せきのポーズのとき。

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体を前に傾けていくと、伸びるところ、また、良くインストラクターが伸びていることをお伝えする部位はどこでしょうか。

内腿だと思います。

そう意識をすることで、より内腿が伸びやすくなります。

一方で、背面のお尻では、足が外に開いていることにより、仙骨が左右から押され、横方向にしなっています。

この状態からさらに前屈していくにつれ、上体の重みに引っ張られて仙骨は縦方向にもしなっていきます。

このように、合せきのポーズは意識の向け方によっては仙骨へもアプローチをしていくことができるのです。

 

「柔軟な股関節を作るヨガ~魔法のyokaメソッド」では、あらゆる方向から仙腸関節にアプローチをしていく様々なポーズを行い股関節と仙腸関節の柔軟性を同時に高めていきます♫

家でできる簡単寝るだけストレッチ

良く、何か家でできることはありませんか、と聞かれます。

そんな時お答えしているのがこれです。

 

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壁と重力を利用したストレッチです。

全く動かず、寝てるだけです😉重力が良い仕事をしてくれます👍ここでただ全身を脱力するようにしましょう。足の自然な重みで股関節が開いていきます。

あまり長くやり過ぎると膝に負担がかかりますので長くて5分くらいを目安にキープしましょう。

お尻は壁に付けるようでしたら付けて行いますが腿裏や膝裏の張りを感じるようでしたら、感じないところまで、お尻を壁から離したり、お尻の下にタオルなどを敷いて傾斜をつけて行いましょう。いつもお伝えしているように、無理のないところ、呼吸が心地良く出来るところでキープします。

そのあと、真ん中に両足を揃え、時間があればそこでまたキープしていきます。

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ひとつ注意していただきたいのは足を真ん中に揃えるとき。足の力で真ん中に揃えないようにしましょう。膝を痛める恐れがあります。必ず手を膝の外側に添え、手の力を借りながら揃えます。

足を揃えてからは長くキープしていただいても大丈夫です。

末端の古い血液が心臓に戻りむくみの改善に効果的です。

なによりも、いつも全身に巡っている血液が上半身だけに巡ることになるので、脳の血流が良くなり、脳疲労を回復してくれます。

わたしはこの時首の下にマッサージボールを置いて首の筋膜リリースも同時に行います。

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凝ってるところを探しながら少しずつボールを動かしていきます。一箇所につき30秒以内を目安にしましょう。

首や頭の付け根、耳の裏側には安眠のツボがたくさんあります。

一通り首がほぐれたら、あとはボールは外してラクに横たわり、深い呼吸を繰り返します。

ほぐれた首から脳へ血液が送られていきます。

ポーズを解放する時は膝を曲げて片側に体をゆっくりと倒し全身の力を抜いてそこでしばらく呼吸をします。足にじんわりと血液が流れていくのを感じる至福の時間です。

 

ずっとテニスボールでやっていたのですが、わたしはこれだけでなく、腰や腿裏や大転子周辺にもボールを当て、全身の体重を乗せてボールを酷使しますので😅テニスボールはすぐに潰してしまい、しょっちゅう100円ショップに買いに行っていました。

最近やっとこちらの筋膜リリース専用のボールを購入。つぶれちゃうんじゃないか、という心配をせずに全体重を思いっきり乗せておけるので、もっと早く買えば良かった、と後悔すらしたお買得品です👍

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硬いほうがTPE、柔らかいほうがシリコンです。

しっかりほぐしたい場合はTPEをおすすめしますが、コリの激しい箇所には痛いかもしれません。わたしはTPEのほうを使っています。

これ以外にも、ふたつ繋がってるような形をしたものも買ってみましたが、ピンポイントで効かせることができず、結局いつも単体のボールを使用しています。

筋膜とは、筋肉を外側からサランラップのようにくるんでいる薄い膜です。筋肉よりも水分量が少ないので、縮みやすく、筋膜が縮むと、その中の筋肉はいくらストレッチをして伸ばそうとしても縮んでいる筋膜が邪魔をしてその中では伸びることができません。

この筋膜の縮みが筋肉の柔軟性を阻害する要因のひとつとなっています。

まず筋膜をゆるめる、そのあとストレッチをすることで効率良く身体の柔軟性を高めることができます。

 

チャクラ①

ヨガのポーズ中、インストラクターがポーズの効果をお伝えすることで、みなさまは「ほぅ、そんな効果があるのか、だったらも少し頑張ってみよ🎵」とポーズのキープも前向きにワクワクしながらできることと思います。

その効果、なにを根拠にしているか、ご存知ですか?

例えば、三角のポーズでしたら、わたしは「全身の代謝が良くなる」や「心が穏やかになる」などをお伝えすることがございます。

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三角のポーズ

全身の代謝が良くなるのは、三角のポーズでは体を大きく前後左右に開いて引き伸ばすからで、血行が良くなり代謝が上がります。納得です。

でも、「心が穏やか」⁉️

なんで?🤔

と思いませんか?

これはチャクラと関係があります。チャクラとは、漢語で『輪』と訳され、交感神経と副交感神経が交わるポイントで、東洋医学でいうところの「ツボ」に当たります。

チャクラを活性化させることにより、そのヴリッティに働きかけ、精神的、心理的な効果が発揮されます。

様々なヨガのポーズを取ることにより、身体のみならず、心にまでその効果が及ぶのはこのような仕組みがあるからなのです。

チャクラは全部で7つあり、それぞれにいくつかのヴリッティ(心の作用)があります。別の機会にひとつずつご紹介していきたいと思います🙇‍♀️

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自分をいたわる

ヨーガスートラというヨガの経典の中に、ヨガを深めるための8支則が書かれています。
その中の一番最初に書かれているのが「アヒンサ(非暴力)」です。
これは、人に暴力を振るわないようにしましょう、というものですが、その対象は自分も含めこの世の生きとし生けるもの全て、そして物理的な行為のみならず、非物理的な行為も含みます。道徳的に人や動物に物理的な暴力をふるわないことは誰もが心がけていることでしょう。また、非物理的な暴力(暴言や嫌がらせ行為、誹謗中傷など)もしないように心がけていると思います。
では、自分に対してはどうでしょうか?
嫌なことがあったとき、それを何度も記憶の中で反芻してはいませんか?

嫌なこと、例えば先生に怒られた、とか上司に詰られた、などは、一度きりのことだったとしても、それを頭の中で何度も繰り返し思い出し、時には人に話してその記憶とその時の感情をもう一度脳の中に鮮明に蘇らせるのは、先生でも上司でもありません。みなさまご自身です。

たった一度のほんの数分のことをいつまでも脳内に留まらせて長引かせているのはご自身です。

これは自分に対する非物理的な暴力にあたらないでしょうか。

もちろん反省することは必要ですし、同じことが起きないよう気をつける姿勢は大事です。

でも、そこからできるだけ早く気持ちを切り替え、心の痛みを和らげるよう、自分の心が喜ぶことをしてあげるようにしましょう。

これも『アヒンサ』です。

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